企業間ウェア1.0の時代(いやその前に企業ウェアかも)

| 2011年10月16日 | 0 Comments

先日、あるグループウェア製品(SharePointではない)のセミナに参加した。実は、製品そのものよりもそのアピールポイント「企業間ウェア」という言葉に関心を覚えたのだ。

つねづね、「グループウェア」という製品は、概念レベルからの再構成が必要なのではないか、と考えていた。これは完全に私見だが、例えば「Notes」や「SharePoint」といったグループウェア製品は、その名前が示すとおり「グループ」、つまり数人〜20人前後の情報共有(と共同作業)に設計的なフォーカスがされている。それは古いバージョンのノーツやSharePointを見ると良く判る。

しかし、実業務はチームによる協業は当然として、それプラス「組織レベルでのオフィシャルな連携・管理」で動いている。特に日本型中〜大企業にでは後者の比重が大きいと思うのだが、この部分は、上記の通り「グループウェア」製品がカバーしきれていない領域なのではないだろうか?

もちろん、グループウェアは比較的歴史のあるシステムなので、どの製品も「グループワーク」の上に「ポータル」「ワークフロー」「アカウント管理」「アクセス権管理」「全体検索」など、数々の(組織的利活用を想定した)拡張がなされ、組織/企業レベルでも十分に活用できるものになっている(でなければ採用されていない)。しかし、設計の根幹があくまで「グループ」にあるため、そのこと起因する、ある種の限界を感じることも少なくない。

最近はTwitterのようなファスト・メッセージング/SNS型の情報基盤もちょっとした流行だ。既存の「グループウェア」製品もこの機能をとりこむ方向にある(あまり良いデキのものを知らないが)

Twitter/SNSからスタートして、情報を扱う単位、という視点から考えてみる 1)個人レベルではOutlookに代表されるSIMがある。2)個を中心とした数人〜レベル(チーム/グループ)ではSNS型が適当かもしれない。それが 3)数十人(グループ/組織)になるとSNSでは厳しくなり、ここで「グループウェア」が必要になる。そして 4)100人を越え、組織/企業として確固としたルーツとそれによる運営(よくいうガバナンス?)が必要になると…今のところ、この領域も「グループウェア」の範疇ということになっている。

つまり、現在の「グループウェア」製品は、この(1)以外のすべてをカバーしようとしている。そのため、フォーカスがぶれ、いずれのレベルでも中途半端になってはいないだろうか?だから私は、これらを「パーソナルメディア(SNS)」「グループウェア」そして「エンタープライズウェア」の三層にわけるべきなのではないか、と考えている。

話が大幅に逸れた。こんなことを考えていたら、さらにその先「企業 [間] ウェア」の提案と言われて、なるほど?と思った訳だ。

この日、説明を受けたソリューションは、製品としてごくごく普通のWebグループウェアだったが、これを「企業間」ウェアたらしめている要素は次の三点だった(メモ)

1.クラウド/SaaS(どの企業からでもインターネット経由でアクセス可能)
2.ライセンスがサーバ単位(ライセンス面でユーザアカウント管理が容易)
3.カスタマイズ(自社製品のため/企業をまたぐため特定業務への依存度が高い)

成る程。当たり前といえばそうなのだが、特に(2)は重要だし、(3)は見落としがちな視点かもしれない。この辺りは今後、もう少し深堀して考えてみたいテーマだ。

ちなみに、(2)の価格だが、もちろん規模で変動するものの、1ユーザあたりに換算するとおおむね500〜600円、といったところか。このあたりが現在、クラウド系グループウェアやサービスのひとつの相場になっている感じがする。

ダライアス101
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