ブックマーク:何故米国でSFAやCRMが発達したのか。トップの姿勢、企業文化の違い

| 2012年8月2日 | 0 Comments

米国社長が「何も決められない日本社長」を無能と勘違いした、という話は昔から良くある。これは社長(経営)と現場の役割をどう位置づけているか、という企業文化の違いによるもので、一概に米国流が良いとは言えない。だが、そこに SFA/CRM のバックボーンがある、という話は成程、と感じた。日本でいまひとつこの領域が(欧米のパッケージ製品が、という意味)普及しないのも、こうしたコンテキストが異なるせいかもしれない。

トップがセールスする米国、表敬訪問する日本 米国人CEOを顧客の日本人社長に会わせたくない理由
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20120731/235136/

米国:トップが自ら重要商談のセールスを行う。
日本:基本的に表敬訪問。細かな話はしない。

目的意識の違いからトップが持つ(部下に要求する)情報量が全く異なる。

米国:日頃から重要顧客について詳しい報告を上げさせる。
日本:社長は経営テーマを語り、現場介入しない不文律。

だからこそ、経営者が (自分の為に)SFA や CRM に積極投資し、発達した

米国:悪い事前報告なしでの突然失注(サドンロス)を忌避する。商談規模次第では一発降格もありうる。

商談を把握しようという姿勢が米国企業のトップにある。こういうトップが一番怒るのは突然の失注報告である。英語でサドンロスというらしい。商談で形勢不利だという情報を現場から上げていないと、トップは「負けました」という報告をいきなり聞くことになる。

日本:悪い話には蓋の傾向。トップには良い報告ばかりあがる。「トップは孤独」。一回の失注で左遷/降格はまずない。叱責されて終わり。ぎりぎりまで現場で解決しようという企業姿勢(文化)

確かに、言われてみれば日本で SFA/CRM が語られる場合、「(現場の)業務の改善」という文脈で語られることが殆どだ。CRM では「きめこまかな、組織全体での顧客対応」といった標語がよく掲げられるが、その「組織全体」に経営者は入らない。

この結句が印象に残った。

昨年の3月11日以降、限られた身内の中で物事を決め、都合の悪い情報を外に出さない集団のことを“ムラ”と呼ぶことが増えた。しかし悪い話にみんなで蓋をする集団をムラと呼ぶなら日本中ムラだらけである。

ムラ(村)はムラ(斑)でありムダ(無駄)なのかもしれない。

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