[Office 365] Outlookにブラウザで突然アクセスできなくなる「Internet Explorer ではこのページは表示できません」
5月頭から、Office 365フォーラム他で「ブラウザで Outlook にアクセスできなくなった」という問題が盛んに挙げられている。ここでいう Outlook とは OWA(Outlook Web Access)のことである。ブラウザで Outlook Web Access のURLにアクセスすると、「Internet Explorer ではこのページは表示できません(The requested URL could not be retrieved)」という白い画面、つまり404エラーが表示される。
問題は特定端末からのみ発生し、まったく問題がない端末も多い。クライアントの Outlook や他メーラ、iPhone等からなら問題なくメールの送受信が出来る。あくまでブラウザ経由の Outlook Web Access だけの問題だ。
この障害は私の記憶にある限り4/30あたりから報告されていたのだが(おそらく連休の影響もあり)、なかなか進展が無かった。しかし5/9になり、ようやくMicrosoftからもフォーラムに投稿があった。
Koji Tada MSFT Support 返信日: 2012-5-10 1:27 午前
Office365 をご利用の皆様
ご質問いただいております Exchange Online ご利用いただけない事象につきまして、現時点における調査の進捗状況をご案内いたします。
現在、一部のお客様において、IPv6 が有効な Windows XP 端末をご利用のユーザーにおける現象発生を確認いたしております。
対応策につきましては、引き続き調査および確認を行っている次第でございます。誠に恐れ入りますが、現在事象が発生しているお客様につきましては、Windows 7など Windows XP 以外の OS をお使いいただくか、暫定対応策として IPv6 をアンインストール いただく対応を行ってくださいますようお願いいたします。
お客様にはご不便をおかけしておりますこと、心からお詫び申し上げます。
http://community.office365.com/ja-jp/f/333/t/51213.aspx
どうやらNTT東日本/西日本のフレッツ回線における IPv6 対応+標準で IPv6 に対応していないWindows XP が原因のようだ。この問題に関しては、Microsoft Innovation Center から以下の内容は発信されている(このドキュメント自体は2011年10月には発信されていたようだ)
Microsoft Innovation Center
http://www.microsoft.com/ja-jp/Mic/
IPv6 環境におけるインターネット利用のための技術情報
http://www.microsoft.com/ja-jp/mic/interop/ipv6ie.aspx
技術的な詳細は上記を読んで頂くとして、対応策は IPv6 をアンインストールすること。無効化ではなくアンインストールしないと駄目、との報告がフォーラムに上がっている。
アンインストール手順:
- [コントロール]→[ネットワーク接続]
- 「ローカルエリア接続の状態」で[プロパティ]
- 「この項目は接続を使用します」欄で Microsoft TCP/IP version6 を選択し[アンインストール]ボタンをクリック
- PC再起動
基本的には Windows XP の問題である筈だが、フォーラムでは Windows 7 でも発生した、との報告もある。この場合、上記手順ではアンインストールできない(ボタンが表示されてない)ため、チェックを外して IPv4 だけが有効な状態にすることで解決したようだ。
今回、メールサービスが長期間不全だった(特に OWA のみのユーザは全く利用できなかった)ため、フォーラムでは Microsoft の対応の遅れを批判する声も大きいのだが、しかし、それはは少々辛過ぎるだろう。旧OS+日本のISP+日本は連休、という悪条件が重なった結果だと…一応フォローしておく。
とはいえ、IPv6 への切換は世界的な流れなので、今後もこうした問題は断続的に発生するだろう。Microsoft / Office 365には、より安定サービスの提供と、なにより早め早めの情報提供をお願いしたい。