「躍進する企業の貯蔵庫」注目企業.COM(カンパニータンク)の取材(記事広告)をお断りした

| 2011年8月1日 | 15 Comments

弊社、シンプレッソ・コンサルティングに株式会社は 2011年8月1日 に登記した。すると8月2日に「カンパニータンク」の石黒と名乗る記者から電話を頂戴した。雑誌特集のために新規起業した企業を取材している、インタビューさせて欲しい、とのことだった。

昨日登記したばかりの会社に何の実績がある筈もない。随分と拙速な話だ。しかしメディアへの露出は有難い話しには違いないので、お話をお伺いした。

しかし、話を聞くうちに、どうにも違和感を感じた。

まず「社長、社長」を連呼し、私をやたらに持ち上げる。弊社の事業内容を Web サイトにある情報すら把握していない。「タレントをつれていく」とむやみに連呼する。残念ながら私はそのタレントを存じ上げない、と言うと、今度はタレントの実績を熱く語り出す。

これでは、まるで何かの売り込みではないか。肝心の媒体について、雑誌名でなく「元気を伝える」で検索してほしい、と盛んに強調するのも奇妙だ。

思っていると、案の定というべきか、長い話の最後に「実はタレントさんをお連れすることもありまして、実費のご負担をお願いしています」と言われた。値段(負担)を確認すると「7万円です」とのこと。

成程、これはいわゆる「取材商法」と言われるものか。
この時点で、もちろん、お断りさせて頂いた。

雑誌名で Web を検索すると、類似の話を多く確認できる。

会社設立後、取材の依頼が来て、僕は、舞い上がっていました、夏。
Lifeclip – 会社作って最初に受けた電話が詐欺まがいな取材商法だった件
Black design メールマガジン |取材詐欺??
KAORIのホンネでGO!- カンパニータンク
猫が所長の総合事務所 メール相談記 – 「国際グラフの取材ですが・・・」って、あのねえ、相手を見て!
取材商法

「取材商法」あるいは「インタビュー商法」と言われるものは、いわゆる記事広告マーケティングだ。「取材」形式ではあるものの、実質的にはインタビューされる側がお金を出した広告に過ぎないのだが、その性質上、

1.読者に広告ではなく取材記事である、という誤った印象を与える可能性がある
2.インタビューされる側が取材(=無償)と誤解し金銭的トラブルに繋がりやすい

という問題がある。

参考:弁護士ドットコム 取材商法にあいました

もちろん、上記リンク先回答にもあるように、このマーケティング手法そのものに法律的な問題はなく、いわゆる「詐欺」には該当しない。実際「あこがれの××さんが来社され、取材してもらいました」と喜んでブログ等に報告している事業主もいる。自身がファンである芸能人と一時間、ほぼマンツーマンで会話できて7万円なら、費用対効果としてありえなくはないだろう。

しかし、実態として記事広告の営業であるにも関わらず、まずはあたかも純粋な取材行為であるかのように語り、かつ起業したばかりのスタートアップを狙う、その営業手法については、社会通念上、少なからず問題があるのではないか、と私は考える。

また、雑誌や会社名そのものではなく「元気を伝える」で Web 検索してほしい、とアピールする(この点にひどく違和感を感じた)のも、ネット上の不満や悪評を承知の上で、それを目にさせない為なのではないのか、と憶測する。

注:当時は「カンパニータンク ~経営者の元気を伝える情報誌~」という WEB 媒体だったが、現在は「躍進する企業の貯蔵庫 注目企業.COM」に変更されている

スタートアップ企業の事業主は(よほどの幸運に恵まれ無い限り)皆、事業の将来に(希望と同時に)強い不安を抱えているものだ。ある知己の社長は「寝るときも資金が減っていく夢を見る」と冗談まじりに語っていた。そうした事業主が、つまらない誤解で不本意なトラブルに巻き込まれることがないよう、私自身の体験をこの投稿に残しておくことにしたい。

「元気を伝える」カンパニータンク(あるいは「躍進する企業の貯蔵庫」注目企業ドットコム)のインタビューは、無償の取材ではない。単なる雑誌(および Web 媒体)の有償広告だ。事業主はその観点から、費用と取扱書店や発行部数、影響範囲をきちんと確認し、納得の上で契約してほしい。

私は、しなかった

注目企業.COM(カンパニータンク)さんから怪しげな文書を頂いた

このエントリは 2011年8月1日に【「元気を伝える」カンパニータンクの取材はまあ詐欺だな】というタイトルで投稿したものだが(その後【「元気を伝える」カンパニータンクの取材はまあ詐欺まがいだな」】 に変更)、媒体の発行元である国際情報マネジメント有限会社より、まず「意図の理解できない郵便書状」を頂き、かつ二度、プロバイダ経由で「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」を頂いた。(この辺りの経緯は別のエントリにまとめる)

当初のエントリは、私自身の腹立ちから、やや刺激的で扇情的な記述となっていたことは否定できない。そのため、本投稿はあくまで私自身の体験とそれに基づく意思を公益に資する観点から表明するもの、として全面的に再編集した(2014年1月19日)

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15 Comments on "「躍進する企業の貯蔵庫」注目企業.COM(カンパニータンク)の取材(記事広告)をお断りした"

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  1. whitefox より:

    はじめまして。
    SharePointフォーラムから飛んできました。
    会社設立おめでとうございます。
    取材商法、資産運用、保険、営業支援などなど たくさん「不要なTEL」がかかってくると思いますが めげずに頑張ってください。

    会社紹介の「沿革」違ってますよ。
    http://simplesso.jp/aboutus.php

  2. 中村 和彦 より:

    ありがとうございます!いやはや、本当に凄いですね「不要な○○」、特にDM系が…逆に営業努力に感心してしまうほどです(苦笑)今後ともよろしくお願いします
    ps ご指摘感謝!こっそり(?)直しときます

  3. 道仁 より:

    こんにちは。

    参考になりました、取材依頼の電話がかかってきたとき、
    どうしようかなと思っていたもので。ありがとうございます。

    ただ、このページに「文芸社」の広告が出てますけど、
    こここそ、?なビジネスをしてるのは知ってますか?

    なので、カンパニータンクさんのことを書きながら、
    こんなのが出てしまうと、う~んって感じがしてしまったのも事実ですが…

    ともあれ、貴重な情報、ありがとうございました!

  4. 中村 和彦 より:

    はじめまして。少しでもご参考になれば幸いです。広告は(汗)すいません、楽天からキーワードで新着順に引っ張っているので…ネタとしてお見逃しください。

  5. YUKI より:

    はじめまして。
    たった今カンパニータンクから取材依頼の電話があり、
    不信感たっぷりで検索してたらたどり着きました。

    私は川村ゆきえさんと対談ですといわれましたよ(笑)
    材料の実費の話は何もされなかったんですが、
    そのまま受けてたら詐欺でしたね。
    断るように社長に伝えようと思います。

    情報ありがとうございました!!

  6. tom より:

    取材商法を叩くエントリのアフィがキッズモデルってたちの悪い冗談としか

  7. 中村 和彦 より:

    Googleアドセンスですので私がコントロールしている訳ではありませんが、確かに気味はよくないですね。block指定をしておきました。ご指摘ありがとう。

  8. 中村 和彦 より:

    川村ゆきえさんでしたか(笑)最初から「広告」として価格をきちんと伝えられた上で、タレントさんに納得がいけば「詐欺」でもなんでもないんですけどね(汗)記事が少しでもお役に立てたようでしたら光栄です。

  9. 通りすがりの経営者 より:

    また例のイシグロか。。。

    芸能事務所との繋がりを活かして、
    もっと真っ当なビジネスをすれば良いのにと思ってしまいます。

    是非を論ずる気はありませんが、
    貴サイトがあることにより、
    それぞれが判断できるというのは大切なことかもしれませんね。

    実際に取材を受けた方の意見もあれば、
    より公平で、より中立的な情報発信の場になるでしょうから、
    どなたかに感想を書きこんで頂きたいものです。

    色々な営業電話もあるかと思いますが、
    そんなことには負けずに頑張ってくださいね!

  10. Web検索して、ここに辿り着いた経営者 より:

    私の所には、ホウショウと言う人から元巨人軍の槙○寛己さんを連れて行くと電話がありました。
    その分の費用負担で7万円だと・・・、HPも読んでくれていたので、良い話かと最初は思ったのですがね。

    私がちょっと変だなと思ったのは、周りでガンガン電話している声が聞こえたので、沢山電話しなければ取れないアポなのか?と言う点でした。

    やはり、そんなに美味しい話は、無いと言う事ですね。
    良かった、良かった(笑
    きっと苦労をもっとしろ、と言う事ですね。

  11. 印鑑おしてしましました。 より:

    雑誌に掲載されるなら。費用対効果として考えられれば。

    そう思いながら、たまたま検索していたらこちらにたどり着きました。

    いったいどうなってしまうのだろう。

    心配です。記事をしっかり書いていただければそれでいいのですが

    記事もなく写真もくれず、銀行引き落としがはじまりなきねいりなのでしょうか。

    早くここを見つけていればよかったかも。

  12. 中村 和彦 より:

    こんにちわ。記事にも書きましたとおり、ご納得の上でさえあれば、決して「詐欺」ではありませんので、問題ないかと思いますよ。
    ただ「ご納得の上で」というのが大事なポイントだと思います。もしご不安であれば、今からでも取材を拒否されればよろしいかと。具体的にどのような書類に印されたのかが判らない為なんとも申し上げられませんが、明示的に拒否の意思を示しさえすれば、如何ようにもできるかと思います。

  13. akiko より:

    中村さま
    1月下旬に法人設立したので見事ターゲットになったようで本日電話がかかってきました。
    ソフトな語り口でタレント名を連呼するとともに自尊心をくすぐるような言葉の羅列。「5万円」と最後に言われ迷ったので「後程連絡します。」と言った瞬間に声のトーンが変わりました。私は恥ずかしながら知識がなかったのですが経営者さんの間では名誉商法で有名な会社のようですね。勿論、お断り!タレントさんはこんな仕事もしなくちゃいけないのかと気の毒になりました。

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