ソフトバンクの「iPad2が無料!」キャンペーンはもちろん無料ではない件

| 2011年10月9日 | 0 Comments

ついに iPhone5 iPhone4Sが発表され、iPhoneの一社独占が崩れた。当然、両者でユーザの取り合いが激化するだろう、とは誰もが思うところ。しかしauが発表したプランはどちらかと言えばソフトバンク準拠であまり面白みが無い。むしろ追う立場から追われる側に廻ったソフトバンクが(こちらは案の定)荒っぽい力技できた。それが「あれこれそれキャンペーン」だ。

キャンペーン公式サイトを見ると、このキャンペーンのポイントは大きく二つ。

1. iPhone3g/3gsのユーザは、残りの本体月賦チャラで無料機種変更可
2. 新規/機種変契約でiPad2が実質ゼロ円購入可能

前者は判りやすい。今回のiPhone4Sはどちらかといえばハードウェア改善にとどまるし、最大の売りである音声認識もそもそも日本語が対象外。となると、既存のiPhone4ユーザがわざわざauに乗り換えるインセンティブは「auの電波」しかない。むしろ、旧世代機であり、これから契約が切れるiPhone3G/3GSが草刈り場になることは必至。それなら、と強引な手段でこれを防ぎに来た訳だ。巧い手だ。もちろんソフトバンクのキャッシュロスは相当な額になるだろうが、それでも契約数を減らしたくない、という判断か。

そして後者。例えばiPad2 16GBモデルの場合、本体代の月賦が約2000円(キャンペーン価格で1860円)なのだが、そこに特別割引(月月割)-1860円/月がつく。そして基本使用料0円(通常は315円)、パケット定額プランも0円スタート(100MBまで無料)だ。となると、私のようにWIFI利用が前提のユーザなら、契約さえすれば、事実上、完全無料でiPad2が手に入ることになる(もちろん3G通信はiOS側の設定で潰す)。

しかし、これは流石に話がウマすぎる。絶対に何かある…とソフトバンクショップで確認したところ、やはり「月月割の-1860円は通信費からしか割引けない」という穴があった。

つまり、WIFIだけの利用の場合、こうなる:
通信料0円−1860円=0円
0円+1860円(本体月賦)=1860円 合計1860円

毎月、必ず1860円の費用は発生してしまう訳だ。そしてこれが二年間なので、×24すると44,640円になる。この価格、例えば価格.comでWIFIモデルのiPad2 16GBを見ると、「価格帯:¥41,770~¥45,000」…つまり全く安くない。

もちろん、普通〜に3G通信も含めてiPad2を利用するのであれば(すぐにパケット定額上限までいくので)、毎月の通信料金「のみ」でiPad2を購入できることになる。これは相当お得だし、「本体代(の分が)無料」とも言えなくはない。しかし…上のキャンペーン画像を見ても判るように、明らかに「嘘」スレスレ。誤認されることを前提とした、キャッチーなコピーを採用している。


実際にこんな被害者もでている(苦笑)
まあ、プロ(記者)がこれに引っ掛るのは正直情けない。

孫氏は凄いビジネスパーソンだと思うし、ソフトバンクも日々の通信でお世話になっている(東京なので電波問題もあまり意識しない)ので、むしろ感謝している。しかし、こういう商売のヤリ方はとても嫌いだ。まあそれを言い出すとauやdocomoも50歩100歩なのだが…しかしソフトバンクが一番えげつないのは誰もが認めるところではないか。

それじゃ、ソウイウコトで。

孫正義 iPad21インク20
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